冬の空調の省エネ対策ベスト5

2020年~2021年の冬はラニーニャ現象の影響で記録的な暖冬だった前年と比較して大雪を伴う厳しい寒波に襲われる可能性が高いとの予報が出されております。 空調機器の効率を上げる対策を下記しますのでできるところから始めて電力コストの最適化を目指してください。
 整骨院・オフィス・物販店舗・ご家庭など多くの場面で有効な対策です。

①空調機器のフィルターの清掃 
フィルター清掃を適正に行うことは空調機器の効率の向上対策として最優先事項です。 正しい手順と方法が紹介されてるサイトを検索しましたのでご参照ください。 
暮らしのマーケットマガジン
エアコンのフィルター掃除|水洗いで簡単に!重曹を使ってしっかり掃除!

壁掛け型クーラーのフィルター清掃の一例です。 フィルターを取り出す!!
この部分を押し上げる形で取り外します。
埃のたまり具合から1~2週間に一回の清掃が必要です。掃除機で吸い取るだけの軽作業です
空気の通りをよくすることで電力消費を少なくすることが可能です

②開口部からの寒気の流入防止策を講じる
冬は開口部(出入口や窓)から暖気を58%放出してしまいます。(図参照)

開口部から熱が58%逃げていきます。換気は感染拡大防止策として必要悪として目をつむりたいとことなのですが扉と窓の開口部は防止可能です。 上下図ともに参照サイト マド本舗
せっかく暖房して暖めた空気も、窓の断熱性が低いと窓辺で空気が冷やされたり(コールドドラフト現象)、すき間から冷気が入り、その冷気が足元にたまってしまいます。足元までポカポカ暖かくするためには、窓の断熱性を高め窓付近の気温を下げないようにすることが効果的です。

これらの問題を解消するためには、開口部を透明カーテンにより遮って空気層を作り熱の放出を防ぐことが有効な対策となります。

断熱カーテンライナー アマゾンサイトから引用
カーテンの内側に設置することで熱の流出入を防止します。

③サーキュレーターにより室内温度の平準化を目指す

サーキュレーターの有効性については再三ブログで配信してますのでご参照ください。

冬は上部に向けて風を送って上部に溜まる暖気をかき混ぜる

④湿度コントロールをする。
湿度が高くなると体感温度は高くなります。 逆に乾燥が進むと肌寒くなってしまうので従来のストーブに夜間を乗せて蒸気の湯気を得るのはとても理にかなった暖の獲り方でした。 石油ストーブの場合にはヤカンをかけるなどは今でも変わらずの得策ですが、エアコンの場合には加湿器が必要となります。
 湿度と気温のバランスを把握して適当な湿度を狙って暖房対策を行うことがとても重要になります。

45%~65%の狭いゾーンに収まるように湿度コントロールが健康と省エネに直結します。

⑤ワームビズを行う。

 機器などを使わずに居室内にいる各人が自身を機能性下着、電気毛布、電気カーペットなどで温めることでベースとなる空調の設定温度を緩和するのが狙いです。 決して根性論で寒さに耐えろと伝えているわけではありません。

参考サイト  ウォームビズ ポカポカゼミナール

まとめ

「的確なメンテナンスのルール作り」
「熱の放出防止」
「効率向上グッズの導入」

 寒さに耐えて作業を行うのは精神的にも肉体的にもストレスが増えてしまうので非効率的です。 コストがかからないメンテナンスを特に強化して乗り切ってください。 やり方次第で2割~3割の空調コスト削減が可能です。

やってはいけないドライ方式-冷房の省エネ

拠点巡回などを行っているとクライアント企業の複数のスタッフから
「ドライ運転の方が冷房運転よりお得だって聞きました‼」とか
「ドライ運転の方が電気料金が高いって聞きました‼」
と相反する意見が飛び交うことがあります。 
スタッフ間で小競り合いとなり正解を求めて私の巡回を待っていたという状況のようでした。 「どっちが正しいのですか?」という問いに
「どっちも正しくて どっちも間違ってます‼」という私の回答に困惑するスタッフの図が散見されるために記事にしようと思いました。

解説します。 
ドライ運転には「弱冷房除湿」と「再熱除湿」という二つの方式があり電気料金の比較で言うと少ない方から弱冷房除湿>冷房>再熱除湿の順序となります。
ドライ運転方式を確認する前の段階では明解な回答ができずどちらも正解となってしまうということを意味してました。

https://news.line.me/issue/oa-weathernews/3a9397a218b6?utm_source=Twitter&utm_medium=share&utm_campaign=none  から引用
https://ameblo.jp/auckland5go/entry-12304817643.html  から引用

<ドライ方式の見極め方法>

ドライ運転の方式により上記の図のように同じドライ運転でも3.6倍以上の電気料金の違いがあるということを把握したスタッフから
「弱冷房除湿にするにはどうすればいいんですか?」との質問が相次ぎましたが残念ながら方式を変更することはできません。
ガソリン車とディーゼル車のようにエンジンが違うととらえてください。   
ドライ方式が「再熱除湿方式」搭載の機器で「弱冷房除湿」を行うことは不可能です。
 無駄な電気料金の増加を防ぐためには、ご自宅も含めて自身の担当する施設に配備されている空調機器のドライ方式を把握することがとても重要です。

*ドライ運転に運転設定⇒室温設定が可能   <再熱除湿方式>
*ドライ運転に運転設定⇒室温設定が不可能  <弱冷房除湿方式>

リモコン設定でドライ運転を選択した際に室温設定ができるかどうかで判断してください。

「弱冷房除湿方式」は室温設定ができません。
https://www.daikinaircon.com/shopoffice/products/indoor/urusara_zeas/  から引用

的確な運転を選んで最適な消費エネルギーで涼を得ることを是としてクレバーな冷房運転を心がけてください。